2020年2月19日
和洋女子大学にて「障害とアートの講座」第三回が行われました。
アール・ブリュット指導者養成を目的の一つにしている講座です。
今回は「リンゴのささやき デッサンで得る存在」をテーマにしました。
「リンゴ」
リンゴも世界に一つ
リンゴが持つ物語もそれぞれ。
どんな土地でどんな日差し、風、雨を受けて育ったのだろう
どんな味?デッサンを通じて存在を感じます。
アール・ブリュットは美術の教育を受けていない人の表現を言うのに
なぜ、「デッサン」? デッサン=うまく描く技術でしょう?
そのように矛盾を感じられた方もおいでかと思いますが
デッサンとは「ものを見る力を養うこと」なのです。
美術の技術の教育を受けて良かったと思うことがあります。
それは
「物・事を概念化して見ずに想像して考える力が身についたこと」
「今見えている 物・事の裏側や生まれてくるまでの文脈を想像する
ようになったこと」が掲げられます。
この「心持ち・思考力」って 人と関わる”お仕事”のかたと
共通する”感覚”なのではと思っております。
そのようなお話をさせていただきながら講座は進みました。
夢中になってリンゴを見つめ描く参加者の皆さん、
しばし言葉が消えました。
最後に出来上がった作品をお互いに見ました。
多様性に富む作品たち。
アートはたくさんの答えがあり
否定より肯定が多い
可能性を見つけていけるツールである。
ボーダーを越えて表現につながる本質の部分です。
今日は宿題も出しました。
描いたリンゴを食べることです。
本日のリフレクションペーパーに
「いとおしくて食べられない」との記載も!
絵を描く、作品を生み出すことで培われることの一つ、
それはたくさんの大事な特別なものを生み出すことでもある、
アール・ブリュット
利用者さんが生み出す、一つ一つの作品・行為そのものも
作品になることもこの講座を通じて感じていただけたならと思っています。