アール・ブリュットとはART-BRUT
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日本のアール・ブリュットの特徴と活動支援について

 

精神障害者の作品が主流の海外に対し、知的障害者の作品が数多いことが日本の特徴と言える。

 

施設や自宅で誰に教えられたり指示されたりすることもなく、ノートや段ボールや広告の裏に描いたものを、福祉職員や家族がその芸術的価値を見出す。そのようにして注目されるようになった作者・作品が多い。画材もサインペン、ボールペン、鉛筆、水彩絵の具、油絵などさまざまだ。絵画だけでなく、陶芸作品、紙工作、セロハンテープやアルミホイールや割りばしなど身近にあるものを使って独特な作品を創作する人もいる。漢字などの文字を主とした作品もあるなど、バリエーシ ョンの幅広さが日本のアール・ブリュットの特徴とも言われている。

 

障害者による芸術活動を支援してきた団体は、たんぽぽの家(奈良)、アトリエインカーブ(大阪)をはじめ各地に存在している。その中で「アール・ブリュット」を標榜して日本の障害者の作品を世界に紹介したのは社会福祉法人グロー(滋賀)である。北岡賢剛理事長が日本の作品をローザンヌに持ち込み、スイスやフランスを中心としたヨーロッパの芸術界に注目されるようになった。

 

2008年にスイス・ローザンヌで日本のアールブユット展を開催したのをきっかけに、2010年にはフランス・パリのアルサンピエール美術展で「アール・ブリュット・ジャポネ展」が行われ高い評価を得る。その後も、オランダ、イギリス、スウェーデン、タイなど世界各国で日本の障害者の作品展が開催されている。